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聴覚障がい者のバリアフリー

 バリアフリーというと、スロープを作るとか、段差をなくすとか、物理的なバリアフリーを考える方が多いと思います。
でも、そういったバリアフリーは聞こえない方・聞こえにくい方に必要でしょうか?
聴覚障がい=情報障がいといわれます。たとえば・・・

①電車が急にストップしたとき、
聞こえる人は車内のアナウンスを聞いて「今、人身事故のために止まったのか」とわかりますが、聞こえない人には情報は入りません。最近は電車内に電光表示板が設置されるようになったのでよかったと思います。

②ホテルに泊まったとき、
客室に入ってしまうと、チャイムの音も聞こえず、テレビの音声も聞こえません。万が一火災が起きたら、非常ベルや館内のアナウンスも聞こえず、命を落としてしまいます。

③病院で、
聴覚障がい者の方は携帯電話のメールで情報を得ることが多いですが、病院はご存知のように携帯電話は禁止です。入院中、ナースコールを使うことも、もちろんできません。

④避難所で、
最近はやたらと地震が多いですね。災害が起きて避難所に逃れても、そこでの情報は入りません。「○時からおにぎりを配布します」「支援物資が届いています」などのアナウンスも聞こえず、あとから行ったら何もなくなっていた、という状態になってしまいます。
見てわかるような情報伝達が必要です。

以前、役所主催の会議で手話通訳をした時、始まる前に主催者の方に「手話通訳をさせて頂きます。
よろしくおねがいします」と、ご挨拶をしました。すると、役所の方は「今日は聴覚障がいの方が会議に参加されるんでしたよね?この部屋は段差があるんですが、大丈夫ですか?」と言われて驚いたことがあります。

役所の方でも、聴覚障がいと肢体不自由がごっちゃになっていたようです(><)
私を含め、誰でも自分がその立場にならなければわからないことは沢山あります。私もまだまだ聞こえない方のこと・聞こえにくい方のことは充分にはわかりません。

でも理解が広まって、聞こえない方や聞こえにくい方が安心して暮らせる社会になるといいなあと願っています。
今は聞こえる私たちも、年を取れば聴力が衰えるのですから、「自分には関係ない」と思わないで欲しいなと思います(*^^*)

ユニバーサルデザインとは?

最近「ユニバーサルデザイン」(UD)という言葉をよく見かけます。
ユニバーサルデザインとは何でしょうか?
「ユニバーサルデザインとはすべての人にとって、できる限り利用可能であるように、
製品、建物、環境をデザインすることであり、デザイン変更や特別仕様のデザインが必要なものであってはならない(The design of products and environments to be usable by all people, to the greatest extent possible, without the need for adaptation or specialized design)」という定義があります。

つまり、ユニバーサルデザインの商品とは、一部の人にとってだけではなく、みんなにとって、使いやすくてわかりやすいものでなければなりません。

【身の回りのUD商品】
私たちが身近に使っているものの中にも、UD商品はあります。
たとえば、

①シャンプーボトル・・・シャンプーとコンディショナーを区別するためにシャンプーのボトルの横が、ギザギザになっています。


②缶ビールなどのプルトップ・・・缶ジュースと缶ビールなどのお酒を間違えて飲まないように、ビールなどのプルトップには点字で「お酒」と書いてあります(写真参照)

③携帯電話・・・携帯電話の「5」のキーの上には、小さなポッチがついていて触ってわかるようになっています。

この他にもいろいろあります。何か見つけたら、ぜひ教えてくださいね!