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手話通訳士にとっての『プロの道具』(手話通訳経験談11)

私は大学で聴覚障害の学生さんのために、講義の手話通訳をさせて頂いています。
今日(2008.1.13)も行ってきました。講義の準備を済ませ、席についてふと自分の手を見ると、ガ~ン!!!あかぎれが真赤ッかになっていて、さらにところどころから血が噴出していました(><)
どうしよ~!!!こんな手で手話通訳するなんて!!
一瞬私の頭には「血が出ていることがわからないように、早く手話をしようかしら・・・」なんて、とんでもない考えが浮かびましたが、あわてて打ち消しました。
先日手話通訳者の研修で、ろうの講師の先生に素晴らしい研修をして頂きました。とってもよい勉強になったのですが、その時に「2時間手話を見続けるというのは、目が疲れることなんだな・・・」と改めて感じました。ろう者の方の気持ちが、少しわかったような気がしました。
ですから手話通訳をするときには、まず相手の方に負担にならずに通じることを第一に考えなければなりません!あかぎれのことは考えずに、手話通訳に専念しました。おかげさまで通訳は無事に終わりました。自分としては毎回毎回の通訳で、自分の全てを出せることをめざしています。

でも・・・やっぱり手が痛いです!!さっきお風呂に入った時も、いまパソコンに向かっている時も手は真っ赤です(;_;)
先日、高校生向けのホームページ「JS日本の学校」の中の【将来について調べよう】というコーナーの取材を受けました。様々な職業に就いている人にインタビューして、現場の声を聞こうという内容です。手話通訳の仕事についてお答えしたのですが、最後の質問は「全ての職業の方に伺っているのですが、手話通訳士さんにとっての『プロの道具』は何ですか?」というものでした。
私は即座に「手です」と答えました。すると「『プロの道具』をHPに載せたいので、写真を撮って送ってください」とのことで、自分の手を写真に撮って送ったんです。
その時に、あかぎれで血が噴出してなくて良かった!!!
手話通訳士にとって『プロの道具』が『手』だとしたら、それがあかぎれになって血が噴出しているというのは、さしずめ「料理人の包丁がさびている」みたいなものでしょうか?
うわぁ、大変だ~~!
これからは、もうちょっと自分の手のケアに気を遣います(反省)

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